条件・予算等、限られてるなか、よく撮りきっている!!!
犬童監督のこれからが楽しみです。
フルーツ・チャン
映画監督
本作品を観ながら、二人の主人公どちらも自分と重なる部分があるように感じました。
私もあかねのように、きらきら眼鏡をつけている人間でありながら、あけみのように世の中に幻滅している人間でもあります。
元々はあかね寄りの人間だったように思いますが、歳を重ねるにつれて、次第にあけみのようになっていったようにも思います。
社会の暗い部分を知るにつれて、もはやナイーブな瞳だけでは世の中を見ることができなくなりました。
しかしそれでも相変わらず、個人個人の事情を少しでも理解しようと努力し、また、日常の些細な事に感謝をして喜びを感じるようにしています。
きっと映画の物語の後で、あけみやあかねは、現在の私と同じような感覚で生きているのではないかと思います。

様々なことを考える機会を与えながら、俳優たちの素晴らしい演技を楽しむことができた本作品に感謝いたします。
キム・コッピ
女優
きらきら眼鏡が本当に存在して、もしカケてみたなら…
きっとそのキラキラが切なくて息が詰まりそうで、私ならそっと机に置いてしまうかもしれない。

きらきら眼鏡を持っていることに意味があるはずだから。
吉岡里帆
女優
全てのことが"きらきら"して見える、"きらきら眼鏡"。
普段見逃しがちな、小さな幸せや感動に気づくことって難しい。
それに度数のあっていない"きらきら眼鏡"をかけていても疲れてしまう。
自分に合った"きらきら眼鏡"をかけて日々過ごす事の大切さ、そして、明日への活力を与えてくれる作品です。
板野友美
女優
原作の単行本を勧められて仕事の締め切り地獄の中寝る前に眠るために読んだはずが逆に眠れなくなるくらいに引き込まれて、号泣して、結局一睡もしないで仕事をするハメに…
そんな作品が今回めでたく映画化!幸運にも招待してもらって一足早くみさせていただきました。
原作とは少し設定が違うので不安だったり…キャスティングがイメージ通りで安心だったり…とドキドキしながら観させてもらいました。
結局また号泣して、刺激されて、創作意欲か掻き立てられてその日の夜もまたまた眠れないのであった…
柳内大樹
漫画家 /「ギャングキング」「セブンスター」
『きらきら眼鏡』は、なにげない偶然の出会いからはじまる、ひと組の男女の喪失と再生の物語である。青年が手にとった古本に挟まれていた一枚の名刺からはじまるその出会いをめぐる物語は、映画を観るわたしたちのごくありふれた日常のそここにも、じつはかけがえのない「奇跡」が見いだせることを、たしかな説得力をもって示してくれる。
 前作『つむぐもの』でも心に空白を抱えこんだ男女をあたたかなまなざしで捉えた俊英・犬童一利監督の演出は、すでに悠揚迫らぬ域に達している。
すでに監督の特徴といってよいだろう、被写体となる人物たちのドラマを、鷹揚とした横移動とともにフルショットやロングの長回しで描くカメラは、舞台となる船橋の風景を、そこに暮らすひとびとの息遣いごと切りとり、「大切な存在との別れ」を経験する登場人物たちを清新に包みこんでいる。
 そして、池脇千鶴や安藤政信ら実力派に囲まれつつも、主人公の青年を自然体で演じきった新人・金井浩人の存在感は圧倒的だ。秋風が立つ季節にふさわしい、心に刻まれる爽やかな青春映画である。
渡邉大輔
批評家